理想と現実

自分は彫金をやっていて、他の人の作品なんかを見ると「こういうの、私もつくってみたいなぁ〜」とか思うけど、でも自分でデザインすると結局いつもの自分の作品に似てしまう。


こんなド素人とプロを一緒にしちゃいけないけど、プロもそういう部分ていうのはあるのかなぁ。


前にも書いたと思うけど、私は音楽を聴いていてすごくそう思う。「アーティスト」と呼ばれる人達はいつも試行錯誤というか、自分が今までやってきたものとは違うことをやろうとする(やりたい)と思うんだろうけど、個人的にはその人の「そういう感じ」が好きだったりすると、それと違ったイメージの曲をあんまりいいと思わない。それは私がそれだけのファンってことなんだろうけど、出来ればあんまり逸れて欲しくないっていうのがある。

でも実際に作っている人は本当は別な感じの曲をつくりたくて、でも今のところつくっているのが「その人っぽい」感じになっているだけってこともあるわけでしょ。
バンドなんかの場合はそういうのって結構キツイんじゃないかと思うのよ。
例えば、「オレが今までつくってきた曲はヒットしてきてたけど、本当はそういうのをつくりたいわけじゃないんだよ。本当はもっと違った感じの曲がつくりたいんだ!」なんて気持ちがあった場合、私的にどんどん妄想を膨らませていくとバンドメンバーの中で「音楽の方向性の違い」とかが表面化してきて、最終的には解散するんではないかと思ってしまう。
(特にメンバーがそれぞれ作曲とか作詞とかしてる場合はそういうのが強いんじゃないかと不安になる。)


実際、好きだったバンド(今もファンクラブは継続中)が今はそれぞれソロとか、個々に別のバンドに参加したりしてほとんど元のバンドとしての活動をしていないということがあったりして(まぁ解散したわけじゃないけど)、私としてはそのメンバーでやっていたその感じが好きだったのであって、別にソロになっちゃったら「ふぅ〜ん・・・」って感じなんだよなぁ。


あともう一つ、テレビや雑誌で見るイメージとその人がつくったもののイメージって一致する必要はないと思うけど、あまりにもかけ離れていると「この人本当はそんなふうに思ってないんじゃないの?」と思ってイヤイヤとまではいかなくても無理して?るような気がして不安になる。
だって、無理しているってことはいつか「もうヤメタ!」って言いたくなる日がくるような気がするでしょ。