靖国 YASUKUNI(李纓監督作品)

もうかなり前になってしまったけど、この映画(?ドキュメンタリー作品?)を見た。


私はハッキリ言って戦争についての詳しいことって何一つ知らない。日本が戦争中にどんなことをしたか、日本軍としてどんなことをしたか、日本軍の中にいる個人がどんなことをしたか、本当のところなんて何一つ知らない。
そして、毎年8月15日なんかにテレビで取り上げられているけど、近所というわけじゃないから実際のところどんな感じなのかも全然知らない。
映画でもそういう「ハレ」の日の様子を映していたんだろうと思うけど(違うのかな?)普段の「ケ」の状態ってどうなんだろうか?「ハレ」も「ケ」もなく常にあの状態なのかな。


なんかね、映画の中では(私は8月15日のことだと解釈しているんだけど)旧日本軍(ていうの?)の格好をした人達が行進したり敬礼したりとか、あとまぁ色々と自分の意見を主張していたりとか(正に「檄を飛ばす」感じですかね)っていうイメージ。で、純粋にっていう言い方もおかしいかもしれないけど、参拝に来てる人達はそういう行進とか敬礼とかしている人達を見て拍手とかしてる。どんな気持ちで拍手しているかっていうのはわからないけど、映画を見てる私にはコスプレとかパフォーマンスに対して拍手しているように見えた。
とにかく申し訳ないけど、自分の日常とつながるものが何一つないからすごく不思議な感じがした。


あと、これも本当に不思議というか・・・よくわからないんだけど


台湾だったか韓国だったかの人で戦争で亡くなった人も一緒に祀られているんだって。で、その子孫?つながりのある人が合祀をやめて欲しい。魂?を祖国に連れて帰りたいみたいなことを訴えていたんだけど・・・個人的にはそうしたいんだったらさせてあげればいいのに・・・と思った。いいよって言えない理由でもあるの?私は神様とか宗教とかに詳しくないからよくわからないんだけど・・・。「日本のために戦って死んだ」ことにしておきたいだけなのかな。でもそんな上っ面だけの言い訳?なんて意味ないと思うんだけど。


あとね、映画の最後の方で切り落とされた首が晒されているみたいなのとか、今まさに首を切り落とされそうになっている女の人(に私は見えた)とか、切り落とした首を持って笑いながらたっている人とか・・・そういうのを見ると本当になんだろうなぁって思った。
私は戦争なんていう極限状態を体験したことはなく、体験したことがなければなんとでも言える。酷いことしてたんだなぁと思う。でも、実際に戦争の時に生きていて、戦地に行っていたら正しいことだけしてられるかな。やらなきゃやられると思って人を殺しまくるかも。絶対にそんなことしない・・・なんて言い切れない。


この映画の意図がどこにあるのかはわからないけど、自分自身として一番感じたのは戦争は本当にイヤだってこと。みんな戦争したくてしてるわけじゃないんだろうけど、戦争になったらみんなおかしくなっちゃう。
これから先もずっと戦争がないことを願っている。


そうは言っても、世界のどこかでは今まさに戦ってる人がいるんだろうな。そういう人が一人もいない世の中がくればいいのに。