エクレール・お菓子放浪記(原作:西村滋、監督:近藤明男、ゼネラル・プロデューサー:鳥居明夫)

結構前に見て感想を書こうと思っていたら・・・・


なんと!


主演の新人(と書いてあった)吉井一肇クン(なんと読むかと思ったら「はじめ」君だそうです、12歳)が中国の金鶏百花映画祭で外国映画部門の最優秀男優賞を受賞したそうです。(子役の受賞は初めてとのこと。)


おめでとうございます!



自分、ハッキリ覚えていないのですが最初にこの映画を知ったのはまだ寒い頃だったように思います。今年に入ってからかな(去年?)・・・まだ寒い頃、ポスターが貼ってあるのを見て「へぇ〜・・・こんなのやるんだ」ぐらいな感じでした。
で、アタシってひねくれモノだからポスターの「未来に残したい、子供に伝えたい、お菓子が紡ぐ希望の物語」(←これはパンフレット掲載かな?)っていうキャッチフレーズとか、タイトル文字(自分としてカワイイ感じがしたんです)からはそれほど「見たい」っていう気持ちが起きなかったんです。細かいあらすじみたいなものは書かれていなくて、キャッチフレーズからは「ほんわり、心温まる」話みたいな感じを受けたんです。
アタシ、そういうわかりやすい「心温まる」みたいな話って好きじゃないんです。


で、まぁ公開されたらもうちょっと話題になったりするからどういう内容かもわかるかな・・・と思っていたら地震津波が起きて・・・



この映画は宮城県石巻市で撮ってる部分が多いようなのですが、撮影されたのどかというか美しいっていうのが正しいんでしょうか?そういう風景も震災後は無くなってしまったり、エキストラでも大勢の人が出演されているのですが、その人達の中にも行方不明の方がいるとか・・・


失礼だとは思いますが、そういうことも気になってこの映画を見に行きました。
あ、この映画、今はどうか知りませんがアタシが見に行った時は映画館での上映ではありませんでした。単発上映会?みたいな感じで、しかも?団体が後援していて動員がかけられている(のかどうかハッキリしたことはわかりませんが、自分としてそう感じました)みたいな感じで、ひょっとしてチケット売り場でチケット買って見に来てるのって自分だけでは?って思っちゃいました。
(根拠なく言ってます。ただ自分としてはそういう印象を持ちました。)



映画が始まる前に出演されている俳優の林隆三さんや石巻市長さん(だったと思ったけど・・・)の挨拶や、撮影した場所の風景が震災後にはこんな風に変わってしまった、みたいな映像が流れました。
アタシは行ったことがないので実際の場所の感じとか全くわかりませんが、「変わり果てた」感じの風景をみて胸が詰まる感じがしました。




さて、映画の感想ですが・・・
自分が想像していたのとはだいぶ違っていました。「心温まる」というか感動的な話ではありますが、自分としては「ほんわり」みたいな感じではなく、もっと「厳しい」感じ。
戦争前後(戦争中から戦後?)が舞台になってましたが、「生きていく厳しさ+希望」みたいな感じだと思いました。(って、そういう受け止めじゃマズかったのだろうか?)



で、アタシってすぐに感動というか「同調」して泣く人なので映画が始まってすぐに泣き始めて(別に号泣しているわけじゃないですよ)映画が終わるまで泣いてました。あ〜・・・恥ずかしい、いつものことなんですけど。


ところで最初にビックリしたのが主演の吉井クンが歌を唄う場面があるのですが(結構最初の方)メチャメチャ上手いんです。申し訳ないですが、映画の筋?からいって「そんなに上手いわけないだろう」みたいな設定だと思ってたんですが(先入観ですが)すごく上手い。最初は物語の行く末も知らないのでびぃ〜っくりしましたが、終わりまで見ると「あぁそういうことなのね」って感じでした。


もう一つビックリしたところがあるんですが・・・コレは言ってしまうとネタバレかもって思うのでここでは書きません。自分は知りませんでしたが「そんなに有名なの?」って思う部分がありました。これって当時の人にとってはポピュラーだったんでしょうかね?アタシが無知なだけでしょうか?でも今の人だって知ってる人は知ってると思うけど、知らない人が多いんじゃないかなぁ〜と思うんだけど・・・。



自分の「好み」としては最後の部分は無いほうが良かったかな・・・と思うのですが、その部分をつけないと宙ぶらりんな感じになっちゃうってことなのでしょうか?



いしだあゆみさんがなかなか「イイ」役で出てるのですが、アタシは見ていて「カッコイイ」と思っちゃいました。



この映画、映画館での上映はない(決まってない)のかもしれないですが、良い映画だと思います。
今はもうやってないかもしれないですが、昔は学校の体育館とかで全校生徒で映画を見たりってことがありましたが(何時の時代の話?って感じでしょうか?)そういうことをしてもいいんじゃって思える映画です。



もしコレを読んでくださってる方の町で上映されることがあったら、興味があれば是非見に行って欲しいと思います。