なんか最近わかってきた。

きものが着られなくなってきている原因。



以前きものについて書いてるところでお店に入ると「新品を買わされる」みたいな、フラッと入れないみたいなことを書いたような気がします。
きものって今は高いじゃないですか。そりゃピンからキリまでっていうのはありますが、基本的には高いもので、しかも普段着ではないです。
もちろん世の中には普段からきものを着て生活している人達も一定数はいると思います。けど、ざっと見渡して9割がたきものです、なんてことはないのが現状です。
で、普段着だったらまぁ何着もあって困らないとは思いますが、そうじゃない人からしたらそんな滅多に着ないような高額なものをホイホイ買う気にはならないと思います。


で、買う気がないのに呉服屋さんに入って「買え、買え」みたいに言われるとしたら・・・呉服屋さんに入りにくいですよ。
で、ますます足が遠のく感じ。


アタシはそういうのも一因じゃないかと思ってますが、最近思うのはきものに詳しい人達がルールを破ることを良しとしないのが最も大きな原因ではないかと思うようになりました。



きものって着ていく時期や場所だったり、合わせるものとかハッキリ言って細かいです。
この前チラッとネットで見掛けたのですが、友達の結婚式に小紋はアリかナシか、みたいな記事を読みました。


アタシは友達の結婚式ぐらいなら小紋てアリだと思っています。
が、その記事では小紋は結婚式にはふさわしくない、着るなら訪問着、だとか「見る人が見たら」オカシイみたいなことが書かれていたんです。
そういう鯱張ったことばっかり言ってるから「そんなに細かいこと言われるくらいなら洋服の方がラク」みたいになっちゃうんじゃないかな。


アタシ、思うのですが、世の中や気候が変わってきてるのにきものだけは頑なにルールを守ることに、そこまで重要な意味があるのかなって思ってしまいます。



アタシの感覚がオカシイのかもしれないですが、現代社会において「きもの」ってだけで特別感があるように思います。
そりゃ流石に結婚式に紬とかっていうのはオカシイかもしれないけど(けど紬でも結婚式にOKそうなのもあるとアタシには思える)基本的に洋服よりも「特別」でまさに「格上」感があるように思います。
そう考えたらちょっと小綺麗な小紋に金銀の入ったような帯を締めたら十分アリだと思います。
っていうか、例えば女性が洋装で出席する場合、フォーマルワンピースと普通のワンピースの区別って(そりゃファッション評論家みたいな人ならハッキリ答えられるかもしれないけど)キッチリわかってます?アタシはハッキリ言ってわかってないです。なんとなく「コレならおかしくないな」と思うようなのならOKだと思います。


ほとんどの人がきものを着てた時代の普段着?が特別な時にしかきものを着ない今の時代でも本当に普段着なんだろうか。
そういうことを頑なに守っているのって間口を狭めているような気がします。



アタシは旧世代の終わりの方の人間だと思いますが、結婚する時に親が留袖と訪問着、付け下げを持たせてくれました。箪笥の中を見せる時に揃っていないと恥ずかしいという理由でした。が、現状一番良く着るのは結婚後に自分で買った小紋です。
そういうこと考えると格だとかなんとか言っていてきものを着ないよりもうちょっと自由にきものを着たらいいんじゃないでしょうか。



きものに精通してる人からしたら「チッ」って舌打ちしたくなるような着方かもしれないけど、詳しく知ってるからこそ許してやったらいいのにって思います。
どんなにきもののこと良く知っていても着る人がいなくなったらなんの意味もないと思うんだけど。



うんちくもいいけどもっとおおらかな気持ちできものに接した方がいいと思う。
細かいことばっかりうだうだ言ってたら着る人がいなくなっちゃうよ。