機織り体験記(長野県岡谷市)

遅ればせながら昨年11月に開催された【「岡谷シルク」シルクストール機織り体験】に参加したことについて書きます。

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岡谷絹工房(旧山一林組事務所)
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玄関入ったところ


岡谷市の岡谷絹工房〔「旧山一林組製糸 事務所」(平成17年国登録有形文化財、平成19年近代産業遺産)〕で、体験しました。
1階はショールームと工房、普段は2階は一般公開されていない(と言っていたような・・・)ようですが、この日は多くの方が見学に来ていました。
体験はその2階の、昔は講堂だったところでやりました。

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講堂、演台がありました
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講堂の天井、豪華で優雅
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講堂の出入り口、なんだかお洒落
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機織り機がいっぱい

↑1階の工房、工房で作業されている皆様はメチャクチャ凝った織りをされていて、かかっている糸が複雑でした。


ちなみに今回使用した絹糸は、市立岡谷蚕糸博物館内で操業している宮坂製糸所が取ったもので、養蚕復活に取り組んでいる「三沢区民農園」が収穫した繭も原料の一部として使われているとのこと。


機織り機一台に一人の講師の先生がついてくださるマンツーマンです。(というか、全体的な印象としては一人に2~3人の講師の先生がついてくださる印象。)ハッキリ言って一番難しい部分はほぼ講師の先生がやってくださっている(やってくださる)ので、体験するアタシ(達)はひたすら緯糸を通していく「だけ」です。他に何があるの?と言われそうですが・・・経糸をかける、出来た布を巻き取る、経糸を緩める、シャトル(杼と言いましたか)に糸を巻く・・・などなど。(言い方が間違ってるかもしれない、正式名称はわかりません。アタシが先生に甘えていただけで、他の方は自分でやっていたかもしれない・・・。)


で、「だけ」なら簡単じゃんと思われるかもしれないですが・・・これがどっこい、そう簡単にはいかない。というか・・・確かにそれらしい「布」にはなるのですが、出来映え?がまるで違う。今回はストールということで、「ふんわりあまり力をいれないで」と最初に「注意」がありました。機織りというと筬を「トントン」と2回打ち付ける?イメージがあると思うのですが(ない?)今回はストールなので首に巻く時に柔らかい方がいいから、とのことで「優しく1回」でした・・・が、出来上がるとこんな感じです。

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左側:最後の方、右側:織始め

↑右側が最初、左側が最後、目の詰み具合が最後の方はみっちりしている・・・。柔らかくない・・・。


別に力を入れようと思って入れてるわけじゃなく、まぁ強いて言えば時間内に終わらせなければという「焦り」みたいなのはあったと思うので、それが力(腕力?)に変わってしまったのかも。そして、初めてなので全く余裕もないし、余裕より頭の回転の問題かもしれないですが、織りあがった布はどんどん巻き取られていくので最初と違ってきてるって気付くのは全てが終わった後、という感じです。


というわけで・・・先生が見本で織ってくれた最初の方のふわふわ感は最後の方ではほぼ無く、びみょ~に薄くなったデニムみたいな、ゴワゴワまではいかないけどちょっと残念なことに。(ですが先生方は「これくらい大丈夫、大丈夫、上手に出来たじゃない!」と慰めてくださる。)


機織りというものを初めてやってみましたが、結果を気にしなければ楽しい。
今回は一番簡単な「平織」(←基本)でサイズ30×160センチ+房10センチ×2でした。
(出来ればもう1枚自分で織ってみたい。もっと長いのが欲しい・・・。)

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参加者が一日頑張った成果


メチャクチャ失礼な言い方になってしまうけど、色々な「体験」は工程の一番「ラクで楽しい」部分が「体験」出来ると思っていて、だからこういう「手仕事」みたいな体験は今後も出来る限り参加したいと思っている。


純国産、岡谷シルクストール出来ました!
出来上がりはびみょ~だけど、大満足です!

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アタシの一日の頑張り


* * *  オマケ  * * *

昔、製糸所として使われていた頃のお手洗いの手洗い場はなんと!大理石で出来ているとのこと。建物の中からも外(画像右側の扉)からも出入り出来るような造りになっていた。

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画像右奥の灰色っぽい手洗い場が総大理石
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大理石の手洗い場