当たり前じゃないと思う

娘の友達の中には美容関係の学校に進んだ人も何人かいたようです。


たぶん、新学期が始まった後だったと思いましたが、娘がこんなことを言ってきました。



「あのさ、昔の人はみんなきものなんて着れるもんじゃないの?友達が学校でそういうの教わるとか言ってたけど、お母さんぐらいの年代の人とかおばあちゃんとか・・・それくらいから上の人はみんな着れるんじゃないの?」




え?
そういう認識だったの?
ちょっとビックリしました。
イヤ、まぁ「きもの」着てる人を見る機会もそんなにはないから逆に「古い人達」は皆着付けが出来るのが当たり前みたいに思っちゃってたのかな。



自分の回りというか、身近な人とでもいいますか、その辺りのことをざっと考えた時、着付け出来るのなんてアタシぐらいなもんです。実家の祖母は明治生まれだったかで完全に普通に着付けが出来る人でした。(もうずいぶん前に亡くなっています。)でも実家の母も一人で着ることは出来ないし、家のお母さんも一人では着られません。(でもお母さんのお姉さんは着付けが出来ます。)本家のお姉さんも着付けは出来ないし、実家の姉も妹も出来ないはずです。


まぁ、そりゃそうですよね、着られなくても全然困りませんもん。
っていうか、着る機会もほぼないし、今時の人ってきもの持ってるのかなぁ〜って感じじゃないですか?まぁせいぜい浴衣ぐらい。
アタシは昔の人間なので(というか、実家の母が昔の人間というべきか?)嫁入りの時に箪笥いっぱいの和服が必要・・・みたいなのがあってそれで一通り自分のきものを持っています。
あ、「箪笥いっぱい」とは言うもののまぁそこそこ入ってるぐらいです。そんな何十枚もきものなんて作れません、高価だから。
振袖、小紋、訪問着、留袖、喪服、附け下げ・・・とそれに合わせた帯や小物類。
お金がないので単衣や絽や紗みたいなのは持ってません。(まぁ夏に着ることもないだろうっていう言い訳も出来るので・・・。)あ、あと紬みたいな普段着れるようなのも持ってないですね、お金があったら欲しいんだけど。


箪笥いっぱいの和服が何故必要だったかというと、結婚した後「箪笥見せ」とかいうのがあるんです。(正式名称は違うと思いますが私は知らないです。)
アタシはその「現場」には居合わせなかったのですが、親戚の人が箪笥や中身(たぶん「持ち物」ってことだと思います)を見て(というか、見せるのかな?)あぁ、こんなに色々持ってきたんだね、こんなに準備してきたんだねって思ってくれるようにってことらしい。
実家の母はそういうのを知っているから箪笥を見られた時に肩身の狭い思いをしないように・・・と附け下げや訪問着を作ってくれました。
アタシはその時には「そんなの着ることも滅多にないんだからいらないんじゃ・・・今時箪笥見る人なんかいないよ」と思いましたが、実際にそういうことがあって、母の気持ちも十分に理解出来ました。


そんなこともあって、持ってるきものは出来るだけ着たいと思ってますが、今のところどれも1回、2回着たぐらい。
本当に残念です。




あたし、本当に和服は好きなので(着ないけど)今はもう出来ませんが袴なんかも着付けられました。「復習」すれはまた出来るようになるのかな。
あ、そうは言ってもプロってわけじゃないので、例えば本当に基本的なふくら雀ぐらいは出来ますが「その帯結び、いったいどうなってるんですか?」っていうごーじゃすなのは結べません。
ま、歳をとったらお太鼓出来たらそんなに困らないのでとりあえず現状で満足してます。



どこかに出掛けることもほぼない自分ですが、ごく普通の外出に粋な紬なんかをササッと着て行けたら素敵だなって思います。
最近はブーム?みたいなのもあるようなので、もっとみんなが着たらいいのにね。



あ、そうそう、女のきものは借り衣OKとはいうものの、アタシは身体が大きいので例えばリサイクルのきものをそのまま着るのは難しいです。(高価なものなのだし、気兼ねしないで着たいと思えばリサイクルで十分と思いますが、如何せんサイズが合いません。)
最近は昔のきものが出てたりすることが結構あって、いい柄行のものもありますが・・・仕立て直し・・・なんて考えるとちょっと二の足を踏みます。


きもの業界とはなんの関係もない自分ですが、皆さん!もっときものを着ましょうよ。