まったく見当違いな意見と思う・・・。

ネットで「専業主婦率と母親の虐待率の相関」という記事を読みました。


ものすごくザックリ言えば、これを書いてる人は「私が着目したいのは,専業主婦率です。母親が一人家にこもって育児をしている県ほど,虐待が多いのではないかと思われます。」と書いているのですが、アタシからするとどうしてそういう見当違いな結び付け方をしちゃうのかなぁって思います。
更に「虐待の被害者の多くは就学前の乳幼児ですが,この時期の子どもは言語による意思疎通も困難で,なかなか言うことを聞いてくれません。2〜4歳頃には,第1次反抗期も迎えます。一人,こうした存在と四六時中向き合うというのは,確かに「危険なこと」なのかもしれません。周囲からのヘルプが得られない場合,なおさらのこと。」とか「それに,専業主婦は自分の役割を「子育て」に特化しているため,いわゆる「パーフェクトチャイルド願望」が高いのが常です。そうした(高き)理想と現実とのギャップも,虐待発生の素地を準備すると考えられます。」とも書いています。


書いてる人が男性か女性かわかりませんが(元記事にちゃんと書いてあったかも・・・)この人、本当になんにもわかってないって思います。


そしてまとめみたいな感じで「人間は,一つではなく多様な顔(役割)を持ったほうがいいといわれます。子育てをしている女性も,「母親」だけではなく,職業人や地域人としての顔を備えた方がいいのではないでしょうか。それは男性にもいえることで,職業人だけではなく,父親や地域人としての顔を前面に出さねばなりません。それがないと,自分が手がける仕事に「社会性」が生まれません。営利追求一辺倒に陥りやすくなります。」「私は,専業主婦が悪いなどというのではありません。」なんて書いているのですが・・・



この人は世間の多くの人が思ってるのと同じように「専業主婦」に対するヘンな偏見があるんじゃないでしょうか、「3食昼寝付」みたいな。




あの・・・専業主婦ほど虐待してるって、それは数字としては事実なんでしょう。でもそういう言い方ってなんかヘンだと思うんです。



例えば・・・ちょっと不謹慎かと思いますが、土木作業みたいな(すみません完全にイメージで言ってます)危険な仕事してる人ってデスクワークしてる人に比べたら仕事中のケガとかって多いんじゃないかと思います。それを「集中してやってないからだ」みたいに言われるとしたら実際その仕事してる人は「はぁ?ナニ言ってんの、コイツ?」って思うんじゃないかと思います。真面目にやっていたってケガする時はケガします。(もちろんそうならないようにみんな注意してるんだと思います。)
それと似たような感じで、専業主婦は子供と接している時間がそうじゃないお母さんよりも多いってことです。
あの、アタシは外で仕事してるのがラクとか思ってるわけじゃありませんが、本当に思い通りにならない子供を相手にしてるのと仕事してるのどっちが「マシ」かって言ったら断然仕事です。
あ、言っておきますが、子供にはものすごく手のかかる子供と手のかからないラクな子供っているんです。仮に自分の子供がラクな子供だったら、それは「ラッキー」なだけです。一人だけの子供がものすごく手のかかることもあれば、3人子供がいても、5人子供がいても全員ラクな子供のことだってある。
それってたまたまって話しです。


で、仮に手の掛かる子供を預けて働いてるお母さんとその子の面倒を1日中みているお母さんどっちが大変かって言ったら、間違いなく1日中面倒みているお母さんの方です。専業主婦だからじゃなくて単純に一緒にいる時間が長いから専業主婦の虐待が多いってだけの話しです。
あ、なんかうまい説明になってないですね。これじゃ記事と同じこと言ってるじゃんて話しになっちゃう。



アタシが言いたいのは・・・この記事書いてる人もそうだし、世間もそうなんだけど、専業主婦で1日子供といるんだから「上手く育てて当たり前」みたいなことを心のどこかで「絶対」思ってることが問題なんだと思うんです。「みんなやってるんだから出来て当たり前」みたいな、そういう意識。
記事で「子育てに特化しているから理想が高い」って書いてますが・・・ホント、たぶんフツーのお母さんはそこまで思ってないですよ。思ってないのに回りが「出来て当たり前」みたいに回りが当然のように要求してくるから自分も「そうでなければならない」って方向に向かわざるをえない。
ソコが一番問題なんです。


一人で子供を育てている人は確かにフォローしてくれる第三者が必要だと思いますが、例えばお父さん。虐待とか心中?みたいなニュースでお母さんがソレをしちゃった場合、お父さんはナニしてたのかなっていつも思ってます。
男の人は子育てなんかに直接関わっていかないとダメだと思ってるかもしれないけど、そうじゃないです。例えば平日夜遅くまで仕事していて家事も育児も手伝えないって人だって「お母さんは毎日毎日大変なことを頑張ってやっているなぁ、手伝えなくて悪いね」って、そういうこと言ってもらえるだけでお母さんは頑張れるんです。
それを、多くのお父さんは「オレだって仕事で疲れてる」、「平日仕事で疲れてるんだから土日くらい休ませてくれ」って、イヤイヤイヤ・・・専業主婦は24時間365日営業してるんだ、休ませて欲しいのはコッチだって思います、ホント。あくまでも大変なのは自分の方って完全に上から目線でモノを言う。イヤ、そうじゃないんだって。誰だって虐待なんかしたくないんです。育児って「虐待せずにはいられない」くらい大変なことなんですよ、ホント。この記事書いてる人も世間も、どう考えても家にいて家事+育児をすることを大変とは思ってないんです。フツーのことって思ってる。そうじゃないです、フツーじゃないです。っていうか、フツーに子育てしていくことって肉体的にも精神的にもものすごく大変なことなんです。
ソコを全然わかってない。
「多様な役割」を持ったら解消出来るって、そんなのウソです。単純に子供と接する時間が少なくなったから虐待する率が落ちただけ。
土木作業1日やってるのを半日デスクワークにしましたって、それと同じことです。



コレ書いてて思いましたが、世の中の人達は「専業主婦」(特に小さい子供がいる年齢層)っていう「仕事」が本当に大変な仕事だって認めたくないだけじゃないのかなって思いました。認めたくないから「頑張ってやってて、毎日大変だね」ってことが言えないし、ソレが言えないから「社会に出て自己実現」みたいな見当違いな方向に逃げる。本当に大変な仕事とまわりから(世間一般的にも)認められていたら社会に出なくてもお母さんの中の達成感?満足感?は絶対にあると思う。
今までににも書いてると思いますが、なんにもわからない子供をある程度まで育てる「仕事」って相当難しい仕事だと思います。




社会に出て自己実現とか言うけど、それって結局は「認められたい」ってことですよね。違うのかな。



だから専業主婦が家で子育てしていても回りがソレを「本当に大変なことを頑張ってるね」って認めてあげることが大事なんじゃないかって思います。



子育てって・・・実際に手伝ってくれる人がいればそれはそれに越したことはないですが、それがなくてもその頑張りを認めてくれる人がいればお母さんは頑張れます。





でもなぁ・・・世間は本当に「子育てぐらい」とか「子どもの面倒みてる【だけ】」とか絶対に「その程度」の位置づけにしちゃうんだよなぁ。
そういう世間の気持ちが虐待に向かわせてる意識が全くない。
おかしいよ。